組織概要

はじめに


代表 特命教授 岡崎 健
東京工業大学 科学技術創成研究院
グローバル水素エネルギー研究ユニットリーダー
グローバル水素エネルギーコンソーシアム代表

水素は、温暖化対策とエネルギーセキュリティーの切り札として期待されています。変動の大きい再生可能エネルギーの大量導入には、輸送・貯蔵に適した水素の活用が不可欠です。国内外で、再生エネルギーを水素に変換(P2G)して輸送するプロジェクト、国際的な水素サプライチェーンの構築、高効率な水素発電開発、水素社会に向けた制度設計などが急ピッチで進められています。この水素社会構築に向けた大きなうねりの中で、本研究ユニットは、本学を中心とした産官学連携と国際的な研究協力により、様々な課題を多面的、客観的かつ科学的に解決するための研究活動を推進していきます。

グローバル水素エネルギー研究ユニット(Global Hydrogen Energy Unit: GHEU)

化石燃料の枯渇、地球温暖化防止の観点から、低炭素社会の実現やエネルギー構造の変革を実現可能な二次エネルギーとして水素(H2)エネルギーが注目され、実現に向けた様々な取り組みが行われています。大量の水素エネルギーを活用するためには要素技術、システム、産業、社会の様々な観点からあらゆる選択肢を検討し、課題を抽出・解決する必要があります。東京工業大学は、様々な課題を多面的、客観的、かつ科学的に評価する為の研究活動を、2015年4月1日に開始しました(平成27年度活動報告書抜粋)。2016年4月1日、この研究活動は「グローバル水素エネルギー研究ユニット(略称GHEU)」として、科学技術創成研究院の下に設置されました。本研究ユニットが核となり、産官学連携により水素エネルギー社会の実現に向けた課題、ボトルネック技術を明らかにし、必要となる要素技術の開発やシステムの開発を行います。
資料:グローバル水素エネルギー研究ユニットのご紹介(PDF) 

酸素水素燃焼タービン発電システム

水素社会実現に向けて、大規模な水素利用技術として水素発電が注目されています。東京工業大学は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する水素利用等先導研究開発事業における「超高効率発電システム基盤技術研究開発」について、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般財団法人エネルギー総合工学研究所、川崎重工業株式会社と共同で受託し、酸素水素燃焼タービン発電システムの研究を進めています。詳細はこちら

水素利用システム評価研究

地球環境保全の為、2030年までに、二酸化炭素(CO2)を26%削減することが必要であり(2050年までに80%削減)、水素エネルギー社会の実現が社会的要請になりつつあります。グローバル水素エネルギー研究ユニットでは、水素エネルギーを実用的に大量に活用するために、技術、システム、産業、社会の各観点から課題を抽出し、客観的、科学的に評価する研究を推進しています。詳細はこちら

産学連携コンソーシアム

産学官が連携して水素エネルギー社会の実現を推進する為の共通プラットフォームとして「グローバル水素エネルギーコンソーシアム(略称GHEC)」を立ち上げました(2015年7月1日)。本コンソーシアムは、産官学の構成員により、公平で客観的な立場からの議論や評価、海外の未利用エネルギーを水素に変換して日本に輸送するグローバルなスケールでの水素サプライチェーンの構築、および国内の未利用エネルギーからの水素製造/輸送/貯蔵との連携について、燃料電池に限らず様々な水素利用技術(タービン、火力発電、エクセルギー再生)をも抱合して、将来の水素利用体系に関する総合的かつ技術的な検討を推進するための組織です。東京工業大学科学技術創成研究院グローバル水素エネルギー研究ユニットの活動の一つです。詳細はこちら。